我が古典ギター部は1965〜66年の同好会期を経て、1966年に現在の位置に建て直された部室棟と同時に、現在まで川越高校の部活として活動を続けてきました。 このページでは古典ギター部最大の演奏会である定期演奏会のうち、1988年5月14日に行われた第19回定期演奏会から今までの定期演奏会の曲目を紹介しています。
「古典ギター部の歴史を語るものといえば、まず毎年春爛漫の五月初旬に開催される定期演奏会があげられる。一九九八年五月三日で第二九回を数えた。私が関わったのは第二三回からであるが、川越高校の音楽ホールともいえるような川越市民会館がごく近くにあり、また格安で借用できるという地の利を強く感じている。 演奏会は、三部構成になっており、一部がクラシックで、前年度夏合宿で鍛えた曲を中心に、四〜五曲演奏される。二部は、各部員の持ち味を生かした独奏やバンド演奏、さらにはパートのチームワークを生かし、趣向を凝らしたパート紹介もある。いつごろから始まったのかは定かではないが、部員たちは年々この出し物に凝り、衣装を自ら縫ったり、小道具の調達に余念がない。また、最近では学年演奏も入り、曲選びも各学年お任せで、意外に下級生の演奏がきかせてくれるものになるといった現象もおこっている。そして三部。ここでは、ポピュラーを主体にし、衣装も揃えて見せ場を作っている。なんと言っても、我が古典ギター部の“伝家の宝刀”ともいえるJ・S・バッハの『トッカータとフーガ ニ短調 BWV五六五』が最後を飾る。演奏後のOBを交えた反省会では、毎回「今年のトッカータは・・・・・・」と評されるくらいに、部員にとってはその日の成功の鍵を握っているのが、この曲の演奏である。 三年生部員の演奏活動は、この春の定期演奏会がピリオドとなる。一年時のアナウンスや照明係の体験から始まり、二年半のギターとのつき合いは、顧問たちが考えるには余りあるほどの密度なのだと感じている。部室棟の片すみにあるすりきれた赤いジュータンの部屋が、すべてを語ってくれている。真夏のうだるような暑さの中、真冬の凍てつく寒さの中、一歩部室に足を踏み入れたときに感じるあの熱気は、幾年月、人はかわるが多くの若者たちが魂を燃やしてきたあかしであろう。 古典ギター部にとって、二十年近くもコーチとして指導をしていただいている小林徹先生も忘れてはならない。コンクールの曲選びから、定期演奏会の最終のアレンジに至るまで、細かく面倒を見ていただいている。昔、部員たちだけで練習するのに飽き足らず、是非プロの指導者をということで来ていただいた先生と、そのころは本校生とも見違えるほどにお若くていらっしゃった小林コーチ。想像するだけでも、現在の部員達は微笑んでしまうことだろう。」 |
1999年 『百周年記念誌 くすの木』 より |